環境衛生コンサルティング部門

経済の急速なグローバル化に伴い、流通網に紛れ、有害なウィルスや生物が次々と海外から侵入してくるようになりました。昨今の新型コロナウィルスなどの新興感染症やデング熱が瞬く間に感染拡大したことや、コンテナにのってやってくるヒアリ、セアカゴケグモ、アライグマといった特定外来生物が国内に既に定着し、日本全土へ広がったことは周知の通りです。国内においても、地方の過疎化、里山の消失、食物連鎖の不均衡・不安定化に伴う恒常性維持機能の消失において、野生動物が、人間の住環境へ侵入して被害を及ぼす事例が増加傾向にあります。

またこれに、地球温暖化の影響が拍車を掛け、平均気温上昇に伴い生物たちの活性化が高くなり、今後も拡大スピードがさらに加速することが予測されます。一つ例にとれば、ヒトスジシマカという蚊の分布北限は1916～18年の調査では栃木県北部でしたが、2010年には青森県八戸市で初めてヒトスジシマカのコロニーが確認されました。60年余りで約100kmも北上しました。

今後ますます、新興国へのグローバル化が進んでいくかと思いますが、未開拓な地域と貿易をすればするほど、その地域に潜在するウィルスや生物が国内へ流入するリスクを考えなければなりません。近い未来我々の子供が素足で庭先を遊べなくなる未来が間近に迫っていることを、一度歩みを止めて見つめ直す必要があると思います。