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環境衛生コンサルティング部門

施工概要

普段、都市部では見掛けることがない、猿やイノシシ、シカ等の野生生物が街中を徘徊し大騒動になっている様子がニュースで度々も報じられています。その原因は、様々な原因が考えられます。第一の理由は、地方で過疎化が進み、林業等の地方産業が衰退する中、里山が消失したことにより、都市部と自然環境との境界がなくなってしまったことが挙げられます。また、昔から人間は、野生動物を狩猟し、食肉として利用するため、食物連鎖の頂点で個体数を調整する役割を担ってきたが、それを近代では行わなくなってきたことや狩猟人口の減少が進んだことが挙げられます。

近年、問題となってきているのは、招かざる客として、輸入されてきた動物が、無責任な飼い主の手によって自然界へ放獣され、爆破的に増加してしまい、もはや抑制できない状態にあると言えます。

これら野生動物による被害も増加傾向にあり、特に農業の分野では、収穫間際の作物が食い荒らされ、莫大な経済的損失被ることや人家を破壊して屋内へ侵入、天井裏等に糞尿をし、衛生的な害を及ぼすなど全国的に様々な被害が報告されています。特に、野生動物は複数の人畜共通感染症を媒介するので、対策を進めるには十分注意しなければなりません。

建築物周囲で主に問題となる生物

①アライグマ(特定外来生物指定)

分類 食肉目 アライグマ科 アライグマ属
分布 北米原産、現在は日本全国で発見記録がある
特徴
  • 体長40~60㎝・体重約4㌔~10㌔
  • 目の周りから頬にかけてはっきりとした黒斑紋がある
  • 爪先から踵まで足裏全体を地面につけて歩く(蹠行性)
  • 夜行性、休眠越冬
  • 優れた学習能力を持ち、前足を器用につかえる
  • 雑食性で残渣をも食べる
  • 日本には天敵がいない、一夫多妻
  • 繁殖期は1回、3~6頭子を産む
影響
  • 農作物や養殖魚への食害
  • キツネ、イタチ、タヌキとの生息競合
  • 人家の屋根裏などに営巣し、積糞、天井板落下、染み
  • アライグマ糞線虫(Sato et al.2006)や狂犬病などの人畜感染症を媒介する宿主

②ハクビシン(外来生物指定)

分類 食肉目 ジャコウネコ科 ハクビシン属
分布 沖縄県を除き全国に分布。中国、東南アジア原産の移入種
特徴

胴長は、約60㎝で、尾長は約40㎝。顔面が黒色で、鼻部が頭頂部にかけて白色の縦線が特徴。

<習性>

丘陵地から山地にかけての森林などに生息し、果樹園などにも出没する。雑食性で小動物や果実などを採食し、果樹園のミカンやカキなどに加害する。

最近は、屋根裏に住む場合がある。

影響
  • 人家の天井裏に営巣し、天井板などを破損させる。
  • 溜め糞をするので、不衛生になる。
  • 夜行性などので、家主が、騒音や鳴き声で睡眠不足になる。

③ヌートリア(特定外来生物指定)

分類 ネズミ目(齧歯目) ヌートリア科 ヌートリア属
分布 南米原産。岐阜県、愛知県、京都府、大阪府、兵庫県、三重県、鳥取県、島根県、岡山県、広島県など、東海地方より西の本州に定着している。分布が徐々に拡大しており、今後、分布していない地域への侵入が懸念される。
特徴

頭胴長約 50~70cm。尾長約 30~40cm。体重 4.5~7kg。日本に生息するネズミの仲間では最も大きい。茶褐色の毛色で、目と耳は小さい。太くて長い毛がまばらに生えた円筒状の尾を持ち、上下2本ずつの門歯は大きく、前面がオレンジ色をしている。白色の長いヒゲを持つ。爪は鋭く、後足の第2~5指の間に水かきがある。南米原産の齧歯目の特徴として、鼻先から口前縁までの距離が長いため、他のネズミ類と異なって、横から見ると顔が四角く見える。

影響
  • 果樹や根菜類を食害する
  • 水棲生物を減少させる

④イタチ(在来種)

分類 ネコ目(食肉目) イヌ亜目 クマ下目 イタチ科 イタチ属
分布 本州、四国、九州など。
特徴 成獣の大きさはオスとメスで異なり、オスはメスより大きい。体長は、オスが27-37cm、メスが16-25cm。毛色は個体により様々だが、躯体は茶褐色から黄褐色である。鼻筋周辺は暗褐色。尾の色は躯体とほぼ同色。
影響

天井裏等に侵入し、断熱材を利用し営巣する。その間、糞尿をするのだが、悪臭がとても強いため、室内側にも臭いが漏れる。

自然的に悪臭は治まらないため、汚染された建材の取り換えが必要になる場合が度々ある。

⑤タヌキ(在来種)

分類 綱食肉目 イヌ科 タヌキ属
分布 北海道のエゾタヌキと,本州・四国・九州に生息するホンドタヌキの2亜種.島嶼では,奥尻島,佐渡ケ島,淡路島,小豆島,大島(屋代島),向島,壱岐,平戸島,鷹島,天草諸島,甑島.隠岐(知夫里島)と屋久島には人為移入
特徴 体重3-6kg,季節差が大きく,晩秋に最大となる.尾長18cm程度を含む全長70-80cm,後肢長10-11cm,耳長4-5cm,性的二型はほとんど見られない.耳はやや丸く,目の回りに黒いマスクがあり,肩や足も黒い.毛色は薄いグレーから褐色または濃い灰色まで,バリエーションがある
影響 たまに、建築物床下等に侵入し騒動になるが、基本的に悪い影響はほとんどない

⑥ムササビ(在来種)

分類 ネズミ目(齧歯目) リス科 リス亜科 ムササビ属
分布 本州、四国、九州に分布
特徴 夜行性。完全な樹上生活者で、冬眠はしない[2]。120メートル以上の滑空が可能で、その速度は秒速最大16メートルにもなる[2]。ケヤキやカエデなどの若葉、種子、ドングリ、カキの果実、芽、ツバキの花、樹皮など、季節に応じてさまざまな樹上の食物を食べる[2]。地上で採食はしない。大木の樹洞、人家の屋根裏などに巣を作る。
影響

重要文化財の小屋裏に侵入し、木質部材を加害するなど被害を与えることが稀にある

一般的には人家に侵入し、騒音被害を及ぼす。

施工手順

①被害状況、侵入経路、痕跡を調査して、種を特定し、手段を検討します。

生息調査
暗視カメラを用いた調査
被害状況調査
痕跡調査
被害状況調査
痕跡調査

②建築物内から追い出しや捕獲を行います。

※捕獲の場合は、狩猟法に則り、行政に有害鳥獣の捕獲許可申請書を提出した後、狩猟免許保有した専門のスタッフがご対応にあたります。

捕獲器
捕獲器の設置
捕獲個体の回収
安楽死殺処分

③②の後に、脱糞の除去や殺菌消毒、また今後侵入しないように、侵入口の封鎖工事を行います。

天井裏の清掃作業
天井裏の清掃作業
天井裏の殺菌消毒作業
侵入口の封鎖工事

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