SERVICE

環境衛生コンサルティング部門

日本のトコジラミは、1960年頃に激減しましたが、現在、日本で被害が出ているトコジラミは、海外産です。多国間貿易が盛んになったことにより、物流資材や輸入品に混入して、入ってくる場合と日本へ観光に来た、外国人旅行者によって運ばれてくる場合があります。また、外国人が使用したリサイクル電化製品や外国人旅行者がよく宿泊するホテルで、トコジラミの生息があったと報告がされています。また、海外産のトコジラミは、殺虫剤の耐性を持っているので、現在日本国内で販売されている一般向けの薬剤では、完全な駆除は不可能です。

人の血液を吸うので、糞とルミノール試液を反応させ、生息の判別をします。

 

分類学 分類上の位置 半翅目、トコジラミ科
学名 Cimex lectularius (Linne)
和名 トコジラミ
英名 Bed bug
別名 ナンキンムシ
形態

雄成虫の体長、4.9~6.4mm、雌成虫の体長、4.8~8.4mmと雌成虫の方がやや大きい。体色は全体的に黄褐色である。空腹の時の体は扁平であるが、吸血すると濃血色となり、体が膨れあがる。

卵の大きさは約1mm前後で、形状は徳利状の長惰円形であり、一端に蓋を持ち、孵化した幼虫は蓋を開けて出てくる。ぬけ殻の卵はそのまま残る。色は黄白色で粘着性をもつ。 幼虫の形態は、成虫とよく似ており、不完全変態であるから、蛹期はない。

繁殖 卵鞘中の卵数(個)

最盛期の5~9月は、産卵期である。この頃の雌は、一日3~5個の卵を産む。研究者の報告では、81日間に111個、或いは、130日間で180個。

又、1雌虫で産卵総数163~240個である。これら報告は実験室内のことである故、自然の状態、殊に充分吸血出来る環境の中では、数百の卵を産むことは考えられる。

卵期間(日) 8~10℃ 34~37日 22℃~27℃ 8~10日
幼虫期間(日) 8~10℃ 124~133日 22℃~27℃ 28~30日
脱皮回数(回) 5回
成虫の寿命(月) 14ヶ月、2年と様々だが、普通先ず一年内外、永くて2年以内の寿命と考えてよい。温度が低いと、産卵能力は乏しいが長生きをし、温度が高いと盛んに産卵し、早く死ぬ傾向がある。

巣は原則的には、餌である人間が寝る場所を中心にして、人間の目につきにくい所、また、外敵からおそわれにくい細い隙間、穴倉を選び棲息している。たとえば押入の裏棚の角、襖桟の隙間、柱の割れ目、釘穴、タンスの引出し底裏などである。

家屋内に於て、巣を選ぶ条件が限定されるためか、夫婦単位性とか、単独性でなく、巣の許容限度内においての集団生活を保っている。すなわち釘穴の許容限度が一匹しか入れないならば一匹。割れ目の大きい隙間ならば数十匹もいると言った状 態である。そして下より上の方に巣を求める傾向にある。従って畳の裏、床板の下等には生息しない。

棲息部位の高さについて、外国では1m以下、或は2m以下と各説があるが、日本家屋では、空内の高さが限定されており、天井から南京虫が落下する状態を見る以上、防除対象は天井を含めた考えを持たねばならぬ。

コメント

昆虫の中では、比較的寿命が長く、飢えにも乾燥にも強い。そして、それ故に、営巣場所が不特定という事もあり、細かな作業になります。

また、産卵数が多いために、成虫を駆除しても、薬剤施工後、再度成長した個体が発現する可能性が高い。従って、施工回数は、現場の繁殖度合いにもよるが、最低でも期間をあけて2回以上必要です。

 

施工の流れ

①事前調査・施工エリアの特定

血糞及び成虫や卵の有無を、目視やルミノール検査により、生息密度や分布を調査する。これにより、施工範囲を特定できる。

②残効性薬剤の塗布作業

トコジラミを生息範囲から拡散させないために、部屋の四隅や畳、建材の隙間に残効性薬剤を塗布致します。

③空間噴霧処理

壁内、天井裏、床下、タンス内等雑物に潜むトコジラミを駆除するため、特殊な機材を用い、微粒子化した薬剤を対象空間に噴霧します。これにより、取り残しなくトコジラミを完全に駆除します。

④再施工

建築物内の生息密度が低い場合では、①~③の1回の施工で完全に駆除できますが、生息密度が高い場合では、使用薬剤には殺卵効果はありませんので、数週間後、再びトコジラミが孵化してきて刺咬被害がでる可能性が御座います。この様な理由から、万全を期すため、最低でも2回以上の施工が必要となってきます。

CONTACT

お気軽にお問い合わせください。
各分野専門のオペレーターにお繋ぎいたします。

CONTACT US

PAGE TOP