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環境衛生コンサルティング部門
対象となるアリ類について
日本で分布しているアリの種類は270種ほど生息していますが、人の生活圏内で問題となる種類は、ほとんどいません。ただ、雑食性のため、人間の住宅周囲でも生息ができるため、稀に建築物内にアリが侵入し、しばし住人とトラブルを起こします。在来のアリ類では、人を刺咬するなど衛生的な害を与える症例はほとんどありませんが、近年アフリカ、アメリカ、中国、台湾等、貿易相手国内で生息している危険なアリ類がコンテナ等を介して日本国内に侵入して、分布域を拡大しようとしています。
日本でよく建築物周囲・内部で見かける種類
特に、現在世間を騒がしているヒアリ(2017年兵庫侵入、2019年東京)、アカカミアリ(不明)は、その毒性から小さなスズメバチといっても過言ではないでしょう。
アリ類は、行動範囲、食性、形態、社会性どれを見ても強く、繁殖力が高い生物です。数年前に侵入したセアカゴケグモの拡大スピードをみても、ヒアリが港から内陸部、全国へと分布域を拡大することは時間の問題だと言えます。
和名・学名 | 発見地・発見年 | 定着状況 |
---|---|---|
アルゼンチンアリ Linepithema humile |
広島県 1993 | 東京以西の12都府県に定着 |
アカカミアリ | 第二次世界大戦終戦後? | 硫黄島、沖縄本島、伊江島に定着、東京港 |
ヒアリ(アカヒアリ) | 兵庫県 2017 | 2019年東京港で発見 |
アリ類の侵入してきた原因について
建築物と自然との境界がはっきりしていない事が主な原因に挙げられます。例えば、建築物周囲の雑草の管理を常時行っていない事や建築物に犬走り等の人工物による境界がない事、また建築物が経年劣化により、基礎部や壁面にひび割れが生じていることです。小型のアリ類は、もともと自然界で、虫体が密接するような空間(石の裏の隙間等)に営巣をする習性があるため、その様な建築物の劣化した部分を、代用してしまうことがあります。
このように、環境条件が揃ってしまうと、建築物内で営巣し、やがて室内でアリ類を目撃するような現象に至ります。
防除方法について
①生息分布と密度を調査し、薬剤の選定や量を決定します。
②建築物周囲の個体数を減数化し、繁殖を抑制します。
③再定着を予防すべく残効性の薬剤を営巣箇所となりうる箇所に設置し万全を期します。