防除対象生物一覧
防除対象生物一覧

40年以上の豊富な経験と実績で対応する有害生物防除
清潔で快適な住まいは、幸せな生活の基礎であり大切な財産です。その大切な住まいに、密かに潜む小さくて危険な存在が害虫です。もし、害虫の兆候を発見したら、早急に専門知識と豊富な経験を持つ弊社にご相談ください。
お困りの生物は何ですか?
分類 | 防除対象生物類 | ||
害虫 | 衛生害虫 | 病原菌媒介 | カ・チョウバエ・ゴキブリ・ダニ(イエダニ・ツツガムシ)・シラミ |
吸血 | カ・ノミ・トコジラミ・イエダニ・ツツガムシ | ||
刺咬 | スズメバチ・クモ・ムカデ・ケムシ・アリガタバチ・ツメダニ | ||
皮膚炎 | ドクガ・チャドクガ・カミキリモドキ・ヤスデ | ||
アナフィラキシー | セアカゴケグモ・スズメバチ・ユスリカ・ダニ(コナヒョウヒダニ・チリダニ) | ||
不快害虫 | 不快感 | ゴキブリ・ハエ・ヤスデ・ナメクジ・ニクダニ | |
悪臭 | カメムシ・ゴミムシ・ゴキブリ | ||
集団で不快 | ユスリカ・イエヒメアリ・サクラアリ・アルゼンチンアリ・テントウムシダマシ・ワラジムシ・ヤスデ | ||
経済害虫 | 異物混入 | チョウバエ・ユスリカ・クロバネキノコバエ・タマバエ・チャタテムシ・ゴキブリ | |
家屋 | シロアリ・ヒラタキクイムシ | ||
家具 | ヒラタキクイムシ・シバンムシ | ||
線維 | イガ・カツオブシムシ | ||
食品 | コクゾウ・ノシメマダラメイガ・カツオブシムシ・コナダニ・ハエ・ゴキブリ | ||
書籍 | ヤマトシミ・シロアリ・キクイムシ | ||
文化財 | シロアリ・キクイムシ・ナガシンクイムシ・カツオブシムシ・ヒョウホンムシ | ||
ペット | ノミ・ダニ | ||
害獣 | 媒介 | ネズミ・ハト・アライグマ | |
刺咬 | ヘビ・カミツキガミ | ||
不快感 | ネズミ・イエコウモリ・ヘビ・ヤモリ・カラス | ||
経済 | アライグマ・ハクビシン・ヌートリア・ネズミ・ハト | ||
微生物 | 感染症・食中毒 | ノロウィルス・腸管出血性大腸菌 0-157・サルモネラ・腸炎ビブリオ | |
不快感 | 細菌・カビ | ||
悪臭 | 細菌・カビ・酵母 |
※作業方法や御見積もりの詳細のご説明は、直接弊社にお電話ください。
(個人情報は一切漏洩いたしませんのでご安心ください)
ネズミ類
(写真:左からクマネズミ、ドブネズミ、ハツカネズミ)
リスと同じく歯が伸び続ける「げっ歯類」に属する動物で、歯を研ぐ習性があります。そのため、家屋内に侵入すると、なり振り構わず配線をかじり、火災や床下暖房機器等の設備をショートさせます。また、衛生面においても、サルモネラ症等の食中毒をはじめとする26種類の感染症を媒介することが報告されています。一般的に被害が多いのは、東南アジア原産のクマネズミで、元々木の上で生活している種なので、巧みに建築物をよじ登り、天井裏に侵入し営巣をします。繁殖能力は「ネズミ算」と言われているほどではなく、それほど増殖しません。条件の良い環境では1ヶ月に1〜2回交尾をし、産子は8〜12匹程度と報告されています。
コウモリ類
イエコウモリと言われるゆえんは、人家を住処とする種だからです。そのため、駆除をしない限りは、定着箇所で繁殖をしていきます。放置すると、糞が堆積して、やがてダニ類が発生し、アレルゲンとなることや体表に寄生している吸血性のダニが室内に侵入し、人が吸血される等衛生的な問題が懸念されます。
外来生物
アライグマ(特定外来生物指定) |
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対象生物 | ![]() |
分類 | 哺乳類 食肉目 アライグマ科 アライグマ属 |
分布 | 北米原産、現在は日本全国で発見記録がある |
特徴 |
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影響 |
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捕獲方法 | 法定猟具(はこわな)による捕獲 |
設置箇所 | 調査場所 ポイント |
使用トラップ | アニマルキャッチャー![]() |
ハクビシン(外来生物指定) |
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対象生物 | ![]() |
分布 | 沖縄県を除き全国に分布。中国、東南アジア原産の移入種 |
特徴 | 胴長は、約60㎝で、尾長は約40㎝。顔面が黒色で、鼻部が頭頂部にかけて白色の縦線が特徴。 |
習性 | 丘陵地から山地にかけての森林などに生息し、果樹園などにも出没する。雑食性で小動物や果実などを採食し、果樹園のミカンやカキなどに加害する。 最近は、屋根裏に住む場合がある。 |
影響 |
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捕獲方法 | 法定猟具(はこわな)による捕獲 |
設置箇所 | 調査場所 ポイント |
使用トラップ | アニマルキャッチャー![]() |
特定外来生物一覧表
区分(分類群) | 第一次指定種*1 | 第二次指定種*2 | 追加指定種*3 |
哺乳類 |
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鳥類 |
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は虫類・両生類 |
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魚類 |
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無脊椎動物 |
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昆虫類 |
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植物 |
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計 | 37種類(1科4属32種) | 43種類(9属34種) | 16種類(2属14種) |
合計 | 96種類(1科15属80種) |
*1:平成17年6月1日施行
*2:平成18年2月1日施行
*3:1 平成18年9月1日施行/2 平成19年9月1日施行/3 平成20年1月1日施行
ゴキブリ類
ゴキブリ類は病原性大腸菌O-157をはじめとする数々の病原微生物を体表面に付着させ、人間の生活環境に侵入してきます。厨房などの衛生区域内で繁殖すると、食中毒を起こす原因となる可能性があります。
チャバネゴキブリ
- 全体は黄褐色、胸部に一対の黒い斑点がある小型種です。15℃以下の環境条件では繁殖が困難なため、日本では冷蔵庫のモーター部の熱源等の比較的温かな場所に潜み生息しています。従って生態的に行動範囲が狭いため、物流を媒介してのみ分布域を拡大する。他種に比べ1.5倍〜2倍の繁殖力があり、条件が揃うと爆発的に増殖し手に負えなくなります。
クロゴキブリ
- 一般的に良く見かける黒色で大型のゴキブリです。温室な空間を好む習性があるので、汚物が堆積した配水管や排水溝の中でよく見かけます。このため、病原性大腸菌O-157の媒介種として知られています。また、比較的寒さにも強いため年中活動しています。
No | ゴキブリの種類 | 生息場所 |
① | クロゴキブリ Periplaneta fuliginosa | ゴミ集積所・厨房 |
② | ワモンゴキブリ Periplaneta americana | 下水移動・湿地 |
③ | コワモンゴキブリ Periplaneta austlasiae | - |
④ | トビイロゴキブリ Periplaneta brunnea | - |
⑤ | ワモンゴキブリ幼虫 Periplaneta americana | - |
⑥ | トビイロゴキブリ幼虫 | - |
⑦ | ヤマトゴキブリ Periplaneta japonica | 山林・落ち葉下 |
⑧ | ヤマトゴキブリ メス成虫 | - |
⑨ | チャバネゴキブリ成虫 Blattella germanica | 室内のみ |
ダニ類
昆虫ではなくクモ類に属するクモの仲間です。ダニ類は多種多様なグループに分かれており、大きく我々に被害を及ぼすのは、アレルギー反応を誘発するダニ類、刺して皮膚炎を生じさせるダニ類、病原性微生物を媒介するダニ類の3つのグループがあります。普段は目に見えない種ですが、増えた時には甚大な被害をもたらします。
ヤケヒョウダニ
- 家屋ゴミから最も検出されるダニで、人のアカやフケ、食品のクズなどの有機物を餌としています。本種の死骸や糞により、気管支ぜんそくやアレルギー性鼻炎等のアレルギー反応を起こします。
フトツメダニ
- 他のダニ類を補食して生活しています。そのため、他のダニが増えると二次的に本種が増え、本種の体の一部である尖ったツメが、偶発的に人の皮膚に刺さり皮膚炎を起こします。
イエダニ


普段はネズミ類に寄生して吸血して生活しています。家屋内にネズミが生息している場合、ネズミの体表から落ちた本種が人を吸血し皮膚炎を起こします。
ツツガムシ
ツツガムシ病リケッチアを保有するツツガムシの幼虫に刺されることにより、急性熱性発疹性疾患を発症させます。アカツツガムシ(東北地方に多く夏に発症)、フトゲツツガムシ(日本海側、春秋)、タテツツガムシ(太平洋側、秋冬)のうち、後の2種によるものが多く見られます。患者発生は北海道・沖縄を除くほぼ日本全国で認められます。ツツガムシ病リケッチアの自然界における宿主はツツガムシで、林や土の中が生息場所です。ツツガムシの幼虫は成長過程で一度地表に出て、野ネズミ等の動物に付着して運ばれます。
マダニ類
マダニ類は、通常、山奥の効率的に野生獣の体液を摂取できる場所に生息をしています。しかし、近年、自然環境の悪化や宅地開発が影響し、野生獣の餌が減少したため、人間の住環境まで行動範囲を拡大してきています。
そのような時、野生獣に寄生しているマダニ類が、寄生種の体表を離れ、落下し、その場を通った人間を吸血するといった被害が各地で多発しています。
マダニ類の中で、比較的寄生種を選ばないフタトゲチマダニ(H.longicornis)は、吸血被害に遭いやすい種です。
日本紅斑熱の媒介者として認知されていますが、近年、重症熱性血小板減少症候群(SFTS)ウィルスによる感染症患者が、中国や日本で確認されました。日本では、47例の報告があり、そのうち19例の死亡が確認され、比較的致死率の高い感染症として報告されています。
どの例も感染経路を調査したところ、野生動物と人間の住環境が濃厚に接触していることが判明し、その間にウィルスの媒介者として、マダニ類の存在が確認されました。
現在、国立感染症研究所が全国で調査を実施している最中です。速報では、シカ、猟犬に対してSFTSの抗体調査を実施したところ、シカでは、福岡、熊本、宮崎、鹿児島、島根、広島、山口、徳島、愛媛、三重、滋賀、京都、兵庫、和歌山、長野、静岡、宮城県の自治体から報告があり、猟犬では、九州(熊本、宮崎、鹿児島県)、四国(徳島、香川、愛媛、高知県)以外に、患者が報告されていない自治体(三重、富山、岐阜県)でも抗体保有動物が存在したことが明らかになりました。
ハチ類
ハチ類の生態は、基本的に5、6月に昨年越冬から覚めた女王バチが巣作りを開始します。徐々に働きバチの数が増大し、10月に巣の規模が最高を迎え、一番危険な時期と呼ばれています。そして、翌年の新女王バチを孵し活動を終えます。巣を守ろうとする防衛本能が強いため、万が一、巣を刺激すると腹部に備えた毒針で刺しに来ます。頸部等を刺されると、体中に毒が回りアナフィラキシーショックを起こし、重篤な症状な場合死に至ります。
スズメバチ類
左上:オオスズメバチ 右上:地面中の巣 左下:コダカスズメバチ 右下:木に巣した様子
コガタスズメバチの食事 動画
- 愛知県では、主に都市部にコガタスズメバチ、山間部にはキイロスズメバチ、モンスズメバチ、ヒメスズメバチ、オオスズメバチの生息が確認されています。刺されると強烈な痛みと痒みに襲われます。世界的にも大型のスズメバチで知られるオオスズメバチは毒性が高く、毎年全国で死傷者を出しています。(写真:オオスズメバチ)
アシナガバチ類
- 主な被害種は、キアシナガバチ、セグロアシナガバチ、フタモンアシナガバチです。アシナガバチ類は人間の生活に密接で、家屋の多種多様な部位に営巣するため不意に刺されることがよくあります。活動のピークは夏場ですが、集団で越冬する習性があるので、やや気温が高い3月中旬に越冬蜂に刺されると被害が出ます。(写真:セグロアシナガバチ)
ケムシ
- 左上:イラガ
右上:アメリカシロヒトリ
下:イラガの毒針
ケムシと言われ、それ自身で、昆虫の名前の様だが、正確にはガ類の幼虫です。発生時期は、6月と9月頃の年2回。樹木の種類によってケムシの種類にも違いが出ます。まず一番注意が必要な種は体表に毒針を持つガ類です。これらの種は、幼虫の体表に、有毒な毒針を持っており、触れると皮膚炎を起こし、目に入ると角膜炎を起こします。代表的な種では、サクラ・ウメ・バラ類・カキなど果樹や庭木から発生する黒色の体表に橙色の斑紋がある4cm程のドクガです。そして、カキ・ナシ・ウメ・カエデ・クリなどから発生する体長2cm程で蛍光黄色のイラガです。この種に触れると電撃的な疼痛に見舞われます。一方、毒がない代表的な種では、体長3cm程で真白で長い体毛を持つ、サクラ・ミズキ・クワ等から発生するアメリカシロヒトリです。
チョウバエ類
- 体長1~5mm程のいわゆる「コバエ」と呼ばれる昆虫です。生息場所は、腐敗した汚物がある排水溝やグリストラップ、汚水槽や雑排水槽です。夜行性であるため、暗所を好みます。メスは、150~200個もの卵を産むので、気づいた時には既に大量発生しているケースを多々目撃する。汚物堆積場所で発生するので、O-157の媒介種として知られている。
(写真:オオチョウバエ)
カ類
アカイエカヒトスジシマカ
カ類のほとんどの種が、病原性微生物を媒介します。幼い時、日本脳炎の予防接種を受けたことがあると思いますが、屋内でよく見かける、飛ぶのが遅く赤っぽい形態のイエカ類が、その日本脳炎ウィルスやフィラリアを媒介します。また、野外でよく見かける種は飛ぶのが早い白と黒の縞模様のヤブカ類で、これらもデング熱や黄熱を引き起こすウィルスを媒介します。生息場所は、イエカ類では、やや綺麗な地下槽や雨水枡、ヤブカ類では廃棄タイヤや安易な水溜りなどから発生します。
ノミ類
- 猫や犬、イタチやハクビシン等あらゆる動物に寄生し吸血をして生活をしています。都市部では、ノラ猫を介して人が刺される例が多発している。吸血されると、1ヵ月間強烈な痒みに悩まされます。そして、中でも、ネズミに寄生するネズミノミには、ペスト菌を媒介した例があり、衛生的な問題が懸念されています。
(写真:ネコノミ)
トコジラミ
左:腕上のトコジラミの様子、右:ルミノール反応による生息調査
トコジラミの動画
- 日本のトコジラミは、1960年頃に激減しましたが、現在、日本で被害が出ているトコジラミは、海外産です。多国間貿易が盛んになったことにより、物流資材や輸入品に混入して、入ってくる場合と日本へ観光に来た、外国人旅行者によって運ばれてくる場合があります。また、外国人が使用したリサイクル電化製品や外国人旅行者がよく宿泊するホテルで、トコジラミの生息があったと報告がされています。また、海外産のトコジラミは、殺虫剤の耐性を持っているので、現在日本国内で販売されている一般向けの薬剤では、完全な駆除は不可能です。
分類学 | 分類上の位置 | 半翅目、トコジラミ科 | |||
学名 | Cimex lectularius (Linne) | ||||
和名 | トコジラミ | ||||
英名 | Bed bug | ||||
別名 | ナンキンムシ | ||||
形態 | 雄成虫の体長、4.9~6.4mm、雌成虫の体長、4.8~8.4mmと雌成虫の方がやや大きい。体色は全体的に黄褐色である。空腹の時の体は扁平であるが、吸血すると濃血色となり、体が膨れあがる。 卵の大きさは約1mm前後で、形状は徳利状の長惰円形であり、一端に蓋を持ち、孵化した幼虫は蓋を開けて出てくる。ぬけ殻の卵はそのまま残る。色は黄白色で粘着性をもつ。 幼虫の形態は、成虫とよく似ており、不完全変態であるから、蛹期はない。 | ||||
繁殖 | 卵鞘中の卵数(個) | 最盛期の5~9月は、産卵期である。この頃の雌は、一日3~5個の卵を産む。研究者の報告では、81日間に111個、或いは、130日間で180個。又、1雌虫で産卵総数163~240個である。これら報告は実験室内のことである故、自然の状態、殊に充分吸血出来る環境の中では、数百の卵を産むことは考えられる。 | |||
卵期間(日) | 8~10℃ | 34~37日 | 22℃~27℃ | 8~10日 | |
幼虫期間(日) | 8~10℃ | 124~133日 | 22℃~27℃ | 28~30日 | |
脱皮回数(回) | 5回 | ||||
成虫の寿命(月) | 14ヶ月、2年と様々だが、普通先ず一年内外、永くて2年以内の寿命と考えてよい。温度が低いと、産卵能力は乏しいが長生きをし、温度が高いと盛んに産卵し、早く死ぬ傾向がある。 | ||||
巣 | 巣は原則的には、餌である人間が寝る場所を中心にして、人間の目につきにくい所、また、外敵からおそわれにくい細い隙間、穴倉を選び棲息している。たとえば押入の裏棚の角、襖桟の隙間、柱の割れ目、釘穴、タンスの引出し底裏などである。家屋内に於て、巣を選ぶ条件が限定されるためか、夫婦単位性とか、単独性でなく、巣の許容限度内においての集団生活を保っている。すなわち釘穴の許容限度が一匹しか入れないならば一匹。割れ目の大きい隙間ならば数十匹もいると言った状 態である。そして下より上の方に巣を求める傾向にある。従って畳の裏、床板の下等には生息しない。棲息部位の高さについて、外国では1m以下、或は2m以下と各説があるが、日本家屋では、空内の高さが限定されており、天井から南京虫が落下する状態を見る以上、防除対象は天井を含めた考えを持たねばならぬ。 | ||||
コメント | 昆虫の中では、比較的寿命が長く、飢えにも乾燥にも強い。そして、それ故に、営巣場所が不特定という事もあり、細かな作業になります。また、産卵数が多いために、成虫を駆除しても、薬剤施工後、再度成長した個体が発現する可能性が高い。従って、施工回数は、現場の繁殖度合いにもよるが、最低でも期間をあけて2回以上必要です。 |
アタマジラミ
クモ類
左からセアカゴケグモ、ハイイロゴケグモ、アカオビゴケグモ
名古屋市金城埠頭にて
(グレーチングに潜むセアカゴケグモのメス)
日本では特定外来種に指定されている毒グモです。近年、物流が盛んな工業地帯や貿易が盛んな港を中心に分布域が拡大しています。愛知県でも空港や港でも生息が既に確認されています。ドブやプランター、ベンチの隙間など人の手が届く安易な場所に営巣をするので、知らず知らずに手を触れてしまう可能性があります。咬まれると強い痛みに伴って赤く腫れます.重症化すると、死に至る可能性もあります。
対象生物 | ![]() |
扱い | 外来生物法で特定外来生物に指定された |
分類 | 節足動物門 クモ綱 クモ目(真正クモ目) ヒメグモ科 |
生態 | 成熟したメスは、25から30日ごとに卵を産む。1卵塊あたりの卵数は数10~200個。卵は、産みつけられてから、2週間前後で孵化する。メス:平均で約4ヶ月で成熟する。2~3年生きる。オス:平均で約90日で成熟する。オスは6から7ヶ月である。食物無しでクモは、平均して約100日生存し、一番早く死んだのは36日、もっとも長く生きたのは7ヶ月であった。 |
食性 | 肉食性のため、主に昆虫等の他の生物を捕食します。そのため、捕食するのに効率が良い。空間に営巣をします。本種の場合は、徘徊昆虫を捕食するので、排水溝等地面から近い位置で営巣をします。主な捕食種:アリ、ゴミムシ、ゴミムシダマシ、ワラジムシ、ハサミムシ、コガネムシ、カメムシなど。 |
毒性 | 人に対して毒性を示すのは、α-ラトロトキシンという蛋白である。この毒素は神経毒で、ほ乳類に対し活性を示す、α-ラトロトキシンは神経系全般にわたって働き、神経末端よりアセチルコリン、カテコールアミン等の神経伝達物質の放出を促し、再流入を阻止することにより神経末端の神経伝達物質を枯渇させる。従って、人がセアカゴケグモに咬まれると、運動神経系、自律神経系が阻害され、種々の症状が現れる。 |
症状 | <咬まれた直後> セアカゴケグモに咬まれると、咬まれた直後は局所の痛みはほとんどなく、あっても咬まれた部位に軽い痛みを感じるだけである。刺し口が一つ、あるいは2つ見つかる場合もある。また、咬まれた部位の周辺に発疹を見ることもある。 <5から60分後> 局所症状が現れ、しだいに痛みが増強する。 <30分から数時間> 時間とともに痛みが咬まれた四肢全体に広がり、最終的には所属リンパ節におよぶ。局所の発汗も起こり、しばしば熱感、掻痒感も伴う。しかし、局所症状のもっとも大きな特徴は痛みである。 |
全身症状 | セアカゴケグモに咬まれて全身症状を示すものはごく一部である。咬まれてから約1時間で全身症状を示すこともあるが、一般には徐々に進行し、12時間以上かかることが多い。 重症になるのは小児、高齢者、虚弱体質の者である。主要な全身症状は痛みである。痛みは全身に及ぶこともあり、咬まれた部位の近くの躯幹だけに限局することもある。したがって、上肢を咬まれた場合、強い痛みは顔、首、胸部に生じ、胸部痛がしばしば心臓発作による痛みと間違われることがある。一方、下肢をかまれると、強い痛みは腹部に生じ、急性腹症とよく似た症状を示す。躯幹のどの部位を咬まれても腹痛は起こり得る。筋肉のけいれんが主として腹部に認められることがある。著しい発汗が全身に、あるいは咬まれた場所とまったく違った部位に限局して認められることがある。全身の筋肉の弛緩が起こるが、麻痺にまで至ることは希である。 他の主要な症状としては、嘔気、嘔吐、発熱、不眠症、めまい、頭痛、全身の発疹、高血圧、下痢、喀血、呼吸困難、排尿困難、重度の開口障害、食欲不振、眼瞼浮腫、全身の関節痛、全身の震え、不安感、羞明、流涙、精神異常、徐脈や頻脈、括約筋のけいれんに続いて起こる尿閉などである。 乳幼児が咬まれると痛みのため泣き叫び、間欠的にけいれんし、症状の進行は早く、重症になりやすい。腹部の痛みと硬直はしばしば認められる。熱がないのに強い痛みが突然起こり、局所の発疹や著しい頻脈が乳幼児に認められれば、セアカゴケグモに咬まれたことを疑わなければならない。 |
処置 | 咬まれた局所を包帯等で強く圧迫するのは、痛みを増強させるので勧められない。局所をアイスパックで冷やすのは、痛みをいくらか緩和するかもしれない。 それぞれの症状に応じて対処療法を行っても、効果のないことが多い。痛みに対して鎮痛薬の服用はもちろん、モルヒネやペチジンの注射でも効果が認められない場合がしばしばある。すべての症状に対してもっとも有効なのは、抗毒素による治療である。 |
シロアリ類
- ヤマトシロアリ羽アリの形態
酵素であるセルラーゼを保有し、木材や紙などの主成分であるセルロースを分解し糖分に変え活動し、やや湿度の高い養分に飛んだ地中域に生息している害虫です。また、その生態から「地球の掃除屋さん」と知られている一方で、家屋の部材や重要文化財を加害するため、経済的な被害をもたらす大害虫として有名です。そして、形態と本種の名前に「アリ」という文字が使われ「アリ」の仲間と誤解されますが、正確にはゴキブリの仲間です。春先から夏季に掛け、「羽アリ」と言われる、本種の生殖虫に翅が生え、いっせいに空中に飛び立ち交尾が行われます。交尾後、翅は消失し、再び地中に潜り繁殖を繰り返します。また、近年、ベタ基礎造りの建築物が主流で、被害も減少してきている様に見えますが、丈夫そうに見える家屋やマンションも築年数が経過すると、ヒビの入った部位から床下に侵入し、建築部材が加害されるという被害は跡を絶ちません。
シロアリの発育は、卵から幼虫・ニンフを経て有翅虫となる不完全変態(漸進変態)が基本で、その発育途中から職蟻と兵蟻が分化し、生殖階級、職蟻階級、兵蟻階級の階級制度による社会生活を営んでいます。
一般的には、レイビシロアリ科のアメリカカンザイシロアリとダイコクシロアリ及びミゾガシラシロアリ科のイエシロアリとヤマシロアリの4種が主要な家屋害虫とされています。
シロアリの発生時期は、種類によって異なりますが、気温が20度前後で、湿度がある程度高い時期に、シロアリの営巣箇所から、翅アリとなった生殖個体が、100匹から200匹発生します。この現象が、家屋周辺で見られた場合には、既にシロアリによって被害が生じている可能性があるので、迅速な対策が必要です。
アリ類
イエヒメアリ
アルゼンチンアリ
家屋に浸入し、よく被害が出る種は1.5mm程で淡い灰褐色のサクラアリと2.5mm程で全体的に淡黄色のイエヒメアリです。両種ともに、建築物の壁内の隙間や基礎部の割れ目など、どこでも営巣可能で、室内にはそこから糖分を求めて侵入してきます。また、本種の生息場所では、年に1回10~11月に掛けて両種の生殖能を持つ羽アリが大発生します。不定型な場所に営巣することや、比較的繁殖力が強いので、完璧な駆除をするには経験がいります。また、近年繁殖力が顕著な特定外来種であるアルゼンチンアリが、日本国内で分布域を広げています。東海エリアでも、各務原市や豊川市で、その生息が確認されています。
ヤスデ類
- 本種は、土壌の有機物や枯葉と真菌類を主に食べています。そのため、適度に湿度が保たれている土壌と枯草、枯れ木の間に生息しています。生殖時期は8月中旬~10月で、この間に交尾、産卵が行われます。一雌の産卵数は150~300コで、産卵した個体は1O月上・中旬に死滅します。卵は10月下旬にふ化が始り、その後生長を続け、年内に体長は5~10mmになります。この状態で越冬、春から再び成長し6~7月に成体となります。また、本種は本能的に住かに雨水が流入すると、回避しようと高い場所に移動する習性があるので、6月の梅雨の時期に入ると、雨を回避しようとして建築物の壁面などで多量に見かけます。ヤスデの中には強毒な分泌物を出すものが知られ、皮膚に紅斑、水包、潰傷をおこすことがあります。そして、ヤスデ類は、人体に迷入することのある縮小条虫の中間宿主となることが知られています。
(写真:ヤケヤスデ)
ムカデ類
- 森や林の朽倒木、石塊、腐葉層などの下や樹木の空洞など陰湿なところを好み、夜行性で小形昆虫や他の小動物を襲って食べる。時々偶発的に夜間家屋内に侵入して、その被害にあうことが少なくありません。産卵は早春から初夏にかけての頃で、石塊や倒木の下の凹み、あるいは堆積する瓦礫や木材片の間隙や地面との境の凹所で、20個前後の卵を塊状に産下します。卵は2週間前後で艀化して、2回の脱皮をすませてから、親より離れて独立生活に入ります。独立生活に入ってから成体までの生長過程は全く不明ですが、寿命は5~6年と推定されています。また、ヤスデ類と同じく、生息場所が雨水で水没すると、それを逃れるため建築物等の高い場所に回避してきます。従って、被害は梅雨から秋にかけて集中します。
対象生物 | ![]() |
分類 | オオムカデ目 オオムカデ科 |
生態 | トビズムカデは森や林の朽倒木、石塊、腐葉層などの下や樹木の空洞など陰湿なところを好み、夜行性で、小形昆虫や他の小動物を襲って食べる。
田舎では人家に近い裏山や神社境内の繁み、ときには家の周辺の瓦礫や廃材などの置場が絶好の生息場所となり、夜間には家屋内に侵入して、その被害にあうことが少なくない。 トビズムカデの産卵は早春から初夏にかけての頃で、石塊や倒木の下の凹み、あるいは堆積する瓦礫や木材片の間隙や地面との境の凹所、また草地の地表下で20個前後の卵を塊状に産下する。 親はその卵塊を自分の体と歩肢とで、一見、篭に入れた格好で抱き、時折ゆっくりと卵塊を回転させ、また表面をなめたりして保護をつづける。卵は2週間前後で艀化して、やわらかい皮膚の幼虫になるが、それらが塊状に群がったまま、なおしばらく親の保護下にある。 幼虫はその後2回の脱皮をすませてから、親より離れて独立生活に入るが、産卵からここまでの期間は約2ヶ月であるらしい。独立生活に入ってから成体までの生長過程は全く不明であるが、寿命は5~6年と推定されている。 交尾行動はこれまでみられていない。ただ雄は精包をつくって、肛門節につけて運ぶうちに、それを雌の生殖門近くに付着させるらしい。精包は米粒位の大きさがあり、粘着性の強い液でおおわれ、雌に粘着した後、次第に萎縮して破れ、なかの精細胞を放出して体内受精が行われるのであろうとみられている。 |
ヘビ類
人家周囲で、良く見かける種は、マムシ、アオダイショウ、特定動物に指定されるヤマカガシです。攻撃性と毒性からして一番危険性が高いのはマムシです。体をバネにして草むらから飛んできます。形態的には、くさり型の紋様と胴体部よりも大きな三角形の頭部が特徴です。また、ヤマカガシは意外ですが一番毒性が高く、その毒性はマムシの3倍に匹敵します。攻撃性は、大人しく人を咬むことは少ないですが、毒液を飛ばす習性があるので、それが目に入ると失明する可能性があります。形態的には、胴体と頭部のつなぎ目のくびれが明瞭ではなく、筋肉質で寸胴です。アオダイショウは、攻撃性は高いが毒を持っていません。危険性は少ないですが、ネズミや迷い込んだスズメ等の小動物を捕りに家屋に浸入し問題となります。形態的には、他の種に比べ、全長が長く細いのが特徴です。マムシは、胴体と頭部のつなぎ目に明瞭なくびれがあるかないか、また紋様の有無で判別がつきます。
(写真:左上マムシ、右上アオダイショウ、左下ヤマカガシ)